「La Saint-Sylvestre（ラ・サン・シルヴェストル）」とは大みそかのこと。
パシュラン・デ・ラ・サン・シルヴェストルは大みそかに収穫したブドウの甘口ワインです。
この辺りは10月から11月半ばにかけて遅摘みブドウの収穫（レイトハーベスト）が行われますが
1991年は非常に早い霜の影響で果実の成熟が遅れ、12月初旬になっても収穫のめどがつきませんでした。
そこでプレイモンの生産者たちは収穫を思い切って遅らせることに。
さて、きたる12月31日、数人の生産者が大みそかのお祭り気分で収穫をおこないましたが
できあがったワインは醸造家たちも驚く素晴らしいできばえでした。
現在、大みそかの収穫はジェール県ヴィエラ村の伝統になっていて村民はもちろん、
村を訪ねたゲストたち皆で賑やかにブドウを収穫し、美味しい食事やイベントといった楽しい日を過ごします。

＜味わい＞
ナッツやマルネロ（西洋かりん）の香りとシルキーな舌触りが特徴。
リッチでバランスの良いワインに仕上がっています。
熟成を重ねることでより香りと深みが出て、ワイン本来のフレッシュさと気品を際立たせますが
30年近くの熟成となるとまた格別で、
このヴィンテージでしか体験できないとろけるような味わいをもたらしています。
残りわずかの希少な1995年ヴィンテージ、ぜひお早めに。


（大みそかのブドウ収穫）



＜パシュラン・デュ・ヴィック・ビルAOC＞
フランス南西部の美食といえばフォアグラやピレネー産チーズ（羊や山羊、牛の山のチーズ）、
これらに完璧にマッチするのがパシュラン・デュ・ヴィック・ビルのワインです。
涼しい夜と晴れた秋の日のブドウはバランスが良くなり、
最適な熟度を見極めながら10月上旬から11月中旬まで手作業による収穫が行われます。
甘口、辛口ともにフレッシュさとバランスが優れています。


（霧の中の日の出/パシュラン・デュ・ヴィック・ビルの畑）





（フランス南西部のアペラシオン※画像クリックで大きく表示）

■畑情報
ピレネー山脈のふもと、東と南東向きの急斜面にある、アペラシオンの中でも特に優れた区画。
早朝は朝陽が差し、夕方は強い夕陽から守られます。
土壌は遅摘みブドウに適した粘土質。急斜面のため水はけも非常によい。
完熟ブドウの豊かさがありながら心地よいフレッシュさをあわせもつ果実に成長します。

■醸造法
収穫は12月末の早朝に収穫し、穴のあいた風通しのよい箱に入れてワイナリーへ運びます。
アルコール発酵と熟成はフレンチオーク樽にて。12〜14ヶ月の熟成。


（収穫されたばかりのぶどう。みずみずしさは残っている）

飲み頃温度は10〜12℃。

フォアグラやブルーチーズ（地元ではロックフォールを合わせます）との相性は抜群。
デザートワインとしても、単体でもお楽しみいただけます。
つい語りたくなるワインなので友人と分かち合いながら、
より深みを体験できるワインなのでおひとりでゆったり楽しむのも。

■プレイモン（Plaimont）
「高品質なワインづくり、伝統、土地の個性を守り続けることでガスコーニュの未来を担っていく」、1979年にフランス南西地方の1100人もの生産者によって結成された協同組合「プレイモン」。サン・モンAOC、マディランAOC、パシュラン・デュ・ヴィック＝ビルAOC、ジュランソンAOC、コート・ド・ガスコーニュIGPといった主要なアペラシオンを中心に（特にサン・モンAOCは99％がプレイモンワインです）ピレネー山脈のふもとからガスコーニュのなだらか丘まで、圧巻の広大な畑よりプレイモンのワインが生まれます。
土着ブドウ品種の再発見と保全、土壌の徹底した管理、伝統的な手摘み収穫、正確で丁寧なワイン醸造技術。ただただ実直で真摯な手仕事。様々な造り手たちが地元への愛と誇りをこめて作り出すユニークで高品質なワインが魅力です。
プレイモン公式ホームページ


（プレイモンの生産者たち。ベレー帽がトレードマーク）

（生産者同士の知識や技術は共有され、優れたワイン造りがおこなわれる）